第507号


 埼玉県医師会臨時代議員会速報


 埼玉県医師会臨時代議員会速報

平成31年3月14日(木)、埼玉県県民健康センター2階大ホールにおいて、第169回埼玉県医師会臨時代議員会(出
席代議員数140)が開催された。議事録署名委員の指名の後、金井会長が挨拶に立った。

議事

第1号議案 平成30年度埼玉県医師会会員の
会費減免申請に関し承認を求める件
第2号議案 平成31年度埼玉県医師会会員の
会費減免申請に関し決議を求める件
第1~2号議案について、原案どおり承認及び決議された。


報告事項

(1)平成31年度埼玉県医師会事業計画
(2)平成31年度埼玉県医師会収支予算
報告事項について、各担当副会長及び常任理事から説明があり、会長挨拶をもって閉会した。
(詳細は「埼玉県医師会誌」に掲載予定)


会長挨拶

●本日の代議員会は、平成30年度埼玉県医師会会員の会費減免申請に関し承認を求める件、そして平成31年度埼玉県医師会会員の会費減免申請に関し決議を求める件を議題として上程いたします。ご審議のほどお願い申し上げます。
平成31年度事業計画及び収支予算は、公益法人制度改革により、理事会の承認を得て代議員会の報告事項となりました。2月7日の理事会で慎重な協議を行い承認されましたので、担当役員からご報告いたします。

●現在、医療界では多くの問題があり、その一つとして、医師の需給があります。我が国の医師の需給は、1970年に「最小限必要な医師数を人口10万対150人とし、これを1985年を目途に充たそうとすれば、当面ここ4~5年のうちに医科大学の入学定員を1700人程度増加させ、約6000人に引き上げる必要がある」とされていました。
1973年に、当時医学部が存在しなかった15の県に医学部を作って医師不足・無医村の解消を目指す「一県一医大構想」ができました。この構想の実現により、人口10万対150人の医師数の目標は1984年に達成されました。しかし、同時に、その後も毎年8000人超の医師が誕生していくことが見込まれる中、将来の医師過剰の可能性が指摘されるようになったため、1982年には「医師については、全体として過剰を招かないように配意し、適正な水準となるよう合理的な養成計画の確立について政府部内において検討を進める」ことが閣議決定されました。

●我々は、医師増が医療費増になると考えますが、現在では海外の医療経済学者の間で、医師が増えても医療費は増えないことが定説だと聞いております。
ご承知のとおり、日本の医療は「西高東低」とよく言われます。東は、医師も施設の数も乏しく、西へ行くほど医師や看護師の人数、医療施設の数も多い傾向にあり、1枚1枚のレセプトの点数も、西のほうが高いという現状があります。したがって、医師増が医療費増になるのではと思うのですが、定説は医師が増えても医療費は増えないのだそうです。

●医師不足が強く言われるようになったのは、1990年代です。そして、2004年4月新医師臨床研修制度が導入され、医師不足が決定的になりました。
国は、2008年度から医学部の入学定員を増やしました。2017年度までに定員数が1795人増えたということになります。これは例えば定員100にすると18の大学ができたのと同等ということになります。現在、医師数は人口10万対250人を超えているという状況です。
医学部入学定員を増やすことで期待されるのは、医師の少ない場所に医師が行くこと・偏在をなくすことです。しかし、医師が増えても、必要な場所に医師が行かない実態があるわけです。
このような状況の中、強制力を持って医師の配置を決めたらどうかとの意見がありますが、我が国においては職業選択の自由がありますので、なかなかできないというのが現状です。開業前に地方勤務をするという話を先生方も2、3年前にお聞きになったことがあるかと思いますが、それは消えてしまった内容です。

●医療法及び医師法の一部を改正する法律が昨年7月に公布され、今年4月から一部が施行となります。臨床研修病院の指定権限と研修医定員の決定権限が国から都道府県へ移譲されます。そのなかで、医師を確保するため
に「地域医療対策協議会」の機能強化が国から示されております。この「地域医療対策協議会」に全ての組織を一本化するようにとのことで、全てとは、医療対策協議会、地域医療支援センター、女性医師支援センター、医療環境改善支援センターなどが挙げられます。
埼玉県は、「埼玉県総合医局機構」で医師確保対策について議論しております。機構を設立後、県は、新たに医療人材課を設置しました。国に申し入れをし、埼玉県は地域医療対策協議会の機能強化ではなく、今までどおり「埼玉県総合医局機構」で医師確保対策の実施体制の強化を実施することとなりました。

●現在、問題であると言われているのは、診療所が非常に多くなったことです。
診療所医師の偏在対策として、「外来医師多数区域」(二次医療圏単位)を設定して、同区域で開業する場合には、届け出を行う際に、在宅医療、初期救急医療、公衆衛生など「地域で不足する医療機能」を担うことに合意する必要があるという方針が決まり、2020年度以降、新規開業の条件が厳しくなります。
以前、開業に関し適正配置が必要として、地域医師会で委員会を設けておりました。公正取引委員会が独占禁止法違反との判断を下したため、医師会は取りやめました。今回は診療所開設に制限を加えたことになり、何となく矛盾を感じます。

●文科省は、来年度の国公私立大の医学部入学総定員を、今年度より1人増の9420人とする計画を公表しました。地域枠により1人増員する予定で、医学部の総定員は2021年度までは現状を維持し、2022年度以降は人口減などに伴い減らす方向で検討するようです。しかし、これではとても遅く、今からでも削減しなければいけないと思っております。医師過剰の状況が早くからやってくる恐れがあります。

●医療費亡国論という言葉があります。これは、1983年、後に事務次官を務め、当時、厚生省保険局長であった吉村氏が発表した「医療費増大は国を滅ぼす」という論のことです。そのように言われた時代もありましたが、現在の情勢はこの論に合致しないといわれております。そして、今度は、医師を今のまま減らさなくてよいのかというのが、医師の働き方改革の問題につながります。

●医師の働き方改革については、業務の特殊性に配慮し、今年4月1日から5年後にあたる2024年に適用するということになります。したがって、5年後までに、医師の働き方をどのようにすればいいかを決めなければなりません。裁量労働制の拡大については、一般労働者より労働時間が短いという厚労省調査に疑義が生じたため無くなりました。高度プロフェッショナル制度・裁量労働制は医師には適応されず、一般労働者です。
 厚労省は、先日、医師の働き方改革に関する有識者検討会に、一部医師の残業時間の上限を「年1860時間」と記した報告書案を提示しました。一般労働者の上限「年720時間」をはるかに上回る時間を容認することになります。色々と問題点がありますが、地域医療を守るためにはやむを得ないとの意見も多く出されております。勤務医の先生方を助けるシステムを考えていかなければと考えております。

●我が国は、国民皆保険であり、この保険制度を持続可能にしていくことが最も重要なことです。しかし、現在、世界一と称えられた日本の医療保険制度にOECDから批判が出てきております。
 まず、他国からの意見は別として、我々が考える皆保険制度、フリーアクセスに関連して、「かかりつけ医」をつくりましょうという話があります。これについては、国も日医も一致した考えです。日医は、かかりつけ医 「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」と位置づけております。しかし、かかりつけ医を1人に指定した場合、フリーアクセスと今まで言われていたものが阻害される可能性も出てきます。イギリスでは、患者は専門医を自由に選べません。まず自分が決めた一般医を受診して、必要に応じ専門医に紹介されることになります。医療費抑制のためには、フリーアクセスの制限もやむを得ないとの意見もある中、かかりつけ医を含め、受診の仕方を細かく検討しなければなりません。

●皆保険制度については、非常に難しい部分があります。我が国の総人口は、長期の人口減少過程に入っており、2065年には9000万人を割ると言われております。このような状況の中、保険の財源として、保険料、自己負担、税金がありますが、いずれも限界となりつつあります。
まず自己負担について、先ほどお話ししたOECD加盟国と比較すると、日本は自己負担が非常に高いという傾向があります。
それから保険料ですが、後期高齢者支援金、前期高齢者納付金、退職者給付拠出金のいずれも負担が多くなっております。よって、皆保険を維持できるのかが問題となります。また、高額薬剤と先進医療が医療費を押し上げていて何らかの方策を考えるべきではないかと言われておりますそのようなことも議論していかなければと考えております。

●昨今、災害が非常に多いため、JMATについて、各郡市医師会に組織化を依頼し迅速に活動できるようにしてもらうことを目標に、担当の登坂常任理事にお願いをしているところです。また、DMATについても、手挙げをして登録できる郡市医師会があると伺っています。ぜひお願いしたいと思います。

●新聞などの報道でご承知のことと存じますが、児童虐待被害の増加が問題となっております。
先月14日に埼玉県医師会と埼玉県警察本部で合同研修会を開催しました。Ai情報センター代表理事の山本先生に講演していただいたところ、児童虐待について非常に心を痛めているとのことでした。

●今月31日(日)に開催される第144回日本医師会臨時代議員会において、関東甲信越ブロック代表質問として、本会の利根川副会長から「児童虐待における医師・医師会の役割について」を質問することとなっております


●医療界の状況は益々厳しくなりますが、皆保険制度は何があっても守らなければいけない最後の砦であります。しっかりと取り組んで参りますので、ご協力をお願い申し上げます。


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お知らせ

□□お知らせ

1 埼玉県総合医局機構交流会・研修医ウェルカムパーティ

  日時:平成31年4月13日(土)13:30~19:00
  場所:県立小児医療センター、ラフレさいたま
※問合せ:業務Ⅱ課(TEL 048-824-2611)


*次回のFAXニュース送信は3月31日の予定です。


金井会長ホットライン は下記あてに
    ファックス:048-824-3630
    
携帯電話:090-7415-2237
    E-mail:kaichou@office.saitama.med.or.jp
    


  最近のトピックス 

1☆医師法第21条の解釈「従来と変わらず」―2月の通知に関して―

※1
 
 厚生労働省医政局は3月14日までに、医療界から懸念の声が出ている医師法第21条に関する2月の通知について、厚労省が従来示してきた解釈や考え方に変わりはないとの見解を示した。医師法第21条は「医師は、死体または妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない」と定める。今年2月8日付で医政局医事課は「医師による異状死体の届出の徹底について」と題する課長通知を都道府県などに発出。「医師が死体を検案するに当たっては、死体外表面に異常所見を認めない場合であっても、死体が発見されるに至ったいきさつ、死体発見場所、状況等諸般の事情を考慮し、異状を認める場合には、医師法第21条 に基づき、所轄警察署に届け出ること」と記した。この通知を受け、「厚労省は医師法第21条に関する見解を変えたのか」と懸念する声が出ていた。



2埼玉のインフル報告数、1定点当たり 2.12人―2019年第11週☆



3☆高齢者の肺炎球菌ワクチン接種、経過措置延長を閣議決定☆

※2
 
 政府は3月15日、高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種について、これまで実施してきた対象者拡大の経過措置を、2019年度から24年度末まで5年間延長することを定めた「予防接種法施行令の一部を改正する政令案」を閣議決定した。厚生労働省は、14年に高齢者の肺炎球菌感染症を65歳の人を対象とする定期接種に追加した。その際、定期接種が始まるまでに65歳以上になった人も等しく1回の接種機会を得るための経過措置として、65歳から5年刻みで100歳までの人を定期接種の対象としていた。
この経過措置が18年度末に終了することを受け、厚労省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の「予防接種基本方針部会」が今後の方針について検討を実施。今年1月、現状の65歳相当の人の定期接種率が40%程度であることなどを踏まえ、まだ接種を受けていない人に接種機会を提供することを目的に延長を了承していた。



4☆ 医師国試、9029人が合格合格率は1.1ポイント減の89.0% ☆

※3
 
 厚生労働省は3月18日、2月に実施した第113回医師国家試験の合格者数を発表した。受験者1万146人のうち 9029人が合格した。合格率は前回から1.1ポイント減少し、89.0%だった。合格者数を男女別に見ると、男性が6029人で合格率88.1%(前回比1.0ポイント減)、女性は3000人で合格率90.8%( 前回比1.4ポイント減)となった。全体のうち、新卒者の合格者数は8478人で合格率は92.4%、既卒者の合格者数は551人で合格率は56.8%だった。  



5「デジタル手続法案」を閣議決定、マイナンバーの保険証活用も視野☆

4
 
政府は3月15日、マイナンバーカードを2020年度から健康保険証として活用する方針も視野に、利用者証明用 電子証明書の利用方法を拡大する方針などを盛り込んだデジタル手続法案を閣議決定した。情報通信技術を活用し、行政手続きなどの利便性の向上や、行政運営の簡素化・効率化を目指す。  

( 記事は 日医FAXニュース ※1 : H31.3.19、メディファクス ※2 : H31.3.18、※3 : H31.3.19 ※4 : H31.3.18各号より抜粋 )


★患者さんのための3つの宣言実践医療機関登録事業★
  この事業は、埼玉県医師会と埼玉県で実施しています。医療機関が自らインフォームド・コンセント、診療情報の開示、セカンド・オピニオンへの協力について宣言・実践することで、患者さんとより良い関係を築くことが目的です。登録をお願いします。申請用紙は埼玉県医師会ホームページをご確認下さい。
※問合せ:県医師会医事・学術課(TEL 048-824-2611)


★★ 役員会議等の資料について ★★
 役員会議等の資料を埼玉県医師会ホームページの会員ページ (http://www.saitama.med.or. jp/kaiin/bunsyo/index.html)に掲載しています。トップページの会員向けページ「郡市通知事項」からも閲覧できます。(会員ユーザID、パスワードが必要) ※問合せ:総務課(TEL048-824-2611)


★★ 団体定期保険の加入者募集中 ★★
 加入対象は65歳までのA1、A2Bの先生方です。この生命保険は先生方に大変有利な内容となっておりますので、是非ご加入下さい。
※問合せ:医事・学術課(TEL 048-824-2611)






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