
第514号
埼玉県医師会定例代議員会速報
□□金井会長挨拶
●春の叙勲・褒章について:齋藤洪太先生(熊谷市医師会)が旭日双光章、鹿嶋広久先生(川口市医師会)が藍綬褒章を受章されました。誠におめでとうございます。
●5月13日に開催された毎日政経文化セミナーに出席してきました。昨年は岸田文雄・自民党政調会長が講演され、今年は小泉進次郎衆議院議員と共に、地元埼玉選出の村井英樹衆議院議員が登壇し、現在の政治・経済について語る形式で行われました。「人生100年時代」を迎えるにあたり、社会保障改革等をどうしていけばよいかが主題でした。年金支給開始年齢は段階的に引き上げられ、現在は65歳からの支給となり、今後は68歳からになるという方向性が出ております。このような中、高齢者1人を現役世代が何人で支えるかという考えがあります。厚労省や内閣府などが15歳から64歳を現役世代と定義し、生産年齢人口の対象としていますが、これが本当にあっているのか、現役世代の定義変更が必要ではないかというのが小泉進次郎議員の意見でした。
皆さんご存知のことだと思いますが、日本老年学会、日本老年医学会が高齢者の定義と区分を提言しました。現在の高齢者は20年前と比較して、5~10歳若返り現象が見られるため、働いてもいいのではないかという話です。高齢者を75歳からという話も出ていますが、少し行き過ぎではないかと思います。
少子高齢化とそれに対する医療費財源の不足等を全て考えますと、医療に関して、皆保険やフリーアクセスを維持できるのかという問題があります。今まで日本医師会は、皆保険制度堅持、混合診療断固反対と訴えてきましたが、最近になって混合診療反対についてトーンダウンしてきました。混合診療の拡大なしで皆保険を維持することが難しいというのを日医も理解したようです。
それでは混合診療をどのようにしていくか、今ある評価療養、選定療養、患者申出療養というカテゴリーに入るのかわかりませんが、新たなものをつくらなければならないという状況です。例えば、薬価1回当たり3,349万円のキムリアが医療保険適用になりましたが、今後高額薬剤や高度先進医療がどんどん出てきた場合に財源を考えると、全部保険で負担することは難しくどの程度まで患者個人が負担するのかを考えなければなりません。それでは、負担できない人は医療を受けられなくなる時代がくるのかということになります。そこで、今度は民間保険を活用するべきとの主張につながるわけです。もともと、民間保険の活用は日医が最も嫌っていたところです。これは海外の保険会社が参入して我が国の医療保険に食い込み、コントロールしてくる警戒感が強かったためです。ところが、今、日本の保険会社が色々と調査・研究し、検討しているという現状があります。したがって、日本の保険会社を使えばよいという意見もあります。
いずれにしても、これから数年間は非常に厳しい状況が続くと思いますので、先生方にお知恵を拝借したいと思っております。よろしくお願い申し上げます。
報告事項
平成30年度埼玉県医師会事業報告
公益目的支出計画実施報告
報告事項について各担当役員から説明があった。
議事
第1号議案 平成30年度埼玉県医師会収支決算に関し決議を求める件
第2号議案 令和2年度埼玉県医師会会費等賦課徴収に関し決議を求める件
第1~2号議案について、決議された。
その後、会長挨拶をもって閉会した。
(詳細は「埼玉県医師会誌」に掲載予定)
*次回のFAXニュース送信は7月6日の予定です。
金井会長ホットライン は下記あてに
ファックス:048-824-3630
携帯電話:090-7415-2237
E-mail:kaichou@office.saitama.med.or.jp
最近のトピックス ![]()
※1
中医協総会は6月12日、2020年度診療報酬改定に向け、医療におけるICTの利活用について議論を進めた。オンライン診療・オンライン服薬指導について診療側は、有効性・安全性などエビデンスに基づく議論が必要として慎重姿勢を示したのに対して、支払い側は健保連の調査結果を踏まえ次期改定での算定要件の緩和を求めるなど、依然として各側で意見が分かれた。支払い側は、医薬品医療機器法(薬機法)改正案が成立すれば、オンライン服薬指導の具体化を進めるべきだとも主張した。厚労省はオンライン診療について、離島・へき地等の医療資源の少ない地域での利活用と、それ以外の利活用を分けて必要な整理を進めることなどの論点を提示。診療側・支払い側ともに賛同した。
日医の松本吉郎常任理事は「患者がきちんと対面診療を受けることができる体制づくりが大事で、利便性に着目して語ることは慎重であるべき。オンライン診療に対面診療と同等のエビデンスがあるのか、それぞれの診療科の専門家からエビデンスを提示してもらい、今後の議論を進めるべきだ」などと指摘した。
※2
日医の横倉会長は6月14日、日医と世界医師会によるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進を目的とした国際会議「Health Professional Meeting(H20)2019」で、日本での国民皆保険達成までの歩みと日医の歴史について講演した。横倉会長は日本の医療保険制度の優れた点として全員加入、フリーアクセス、医療サービスの現物給付の3点を挙げ、日本の健康寿命が世界トップレベルにあるのは国民皆保険によるところが大きいとした。老人医療費の無料化や介護保険の成り立ちについても説明した。日医の歩みについては、医師による自由な診療を求めて活動してきたことなどを紹介。安全な医療に資するか、公的医療保険を堅持できるかを政策の判断基準としているなどと説明した。
パネルディスカッションでは、UHCの達成に向けた課題と方策について議論した。横倉会長は、医療は提供する側と受ける側の信頼関係が重要だと強調。日本でも法律として位置付けるため、医療基本法の成立に向けて国会で議論を求めていると報告した。UHCの達成には医師の団結と調和が必要だとも提言した。