
第515号
郡市医師会長会議速報 <6月27日>
□□金井会長挨拶
●6月25日付けの日経新聞に、かかりつけ医を定額制にするという記事がありました。厚生労働省は患者が自分のかかりつけ医を任意で登録する制度の検討を始めたとのことです。その内容として、患者が登録したかかりつけ医を受診すると診察料を月ごとに定額にする、かかりつけ医以外を受診する場合、患者の自己負担を上乗せするというもののようです。
日本医師会は、かかりつけ医について、なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師と位置づけ、長く推奨してきました。それでは、どういうところをかかりつけ医にするか日本医師会も言及しておりません。
かかりつけ医は任意で患者が選ぶことができると新聞記事にありました。一般的に住宅地などにある内科や小児科といった診療所を想定しているようですが、例えば、整形外科以外ほとんどかかっていない患者がいるかもしれません。その患者がかかりつけ医を整形外科医にしたい場合、そういうことが全く議論されておりません。このような状況で新聞報道があったため、厚生労働省がかかりつけ医の定額制について本当に検討しているのかを日本医師会に聞きました。日医から厚労省に問い合わせしたところ、厚労省はそのようなことを言った覚えがないということでした。そうなると、これはどこから出た話なのかということになります。いずれにしても、医療費を削減するのが目的ですので、財務省が関係してくるのではと思います。このかかりつけ医については、これからどういう医師をかかりつけ医とするのか、定額制がいいのか、あまり議論せずに進むということに非常に不安があります。
●我が国において、皆保険とフリーアクセスという2つの言葉があります。皆保険は当然のことながら堅持するべきですが、フリーアクセスについて、日本医師会は、ここ3~4年の間、かかりつけ医を持ちましょうという言葉を頻繁に使うようになり、フリーアクセスという言葉が少しずつ弱くなってまいりました。そうすると、かかりつけ医の定額制にも関わってきますので、やはりかかりつけ医をどういう形にするのか明確にしなければいけないと思います。
●後ほど水谷常任理事から報告してもらいますが、6月23日に日医代議員会が開催されました。
昨年7月の医療法及び医師法の一部を改正する法律の成立をうけ、国が指数・指標を示すことになり、医師偏在指標、外来医師多数地域という言葉が出てまいりました。医師偏在を解消するため、外来医師多数地域において開業規制を設けることも検討され、新規開業者に公衆衛生事業(学校医や救急当番)を担うことを条件とすることを厚労省が提案しました。これは規制になるということで、日医代議員会でも活発な議論が交わされました。一方で、地域により医師が過剰になってしまうのがいいのかという議論もあります。したがって、そこは意見がなかなかまとまらないため、この議題だけでかなり時間が費やされました。医師偏在はどうすれば解決するのか、医師偏在指標は厚労省が相当力を入れて膨大な資料をもとにつくり上げました。しかし、この医師偏在指標が実態を反映していないのではないかと思います。医師偏在は簡単に解消するものではないため、強制力の話も出ましたが、今後真剣に考えていかなければなりません。
●本年11月14日(木)に創立記念表彰式を開催します。その際、併せて開催する記念講演について、今回、日医の横倉会長に、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進について講演して頂きます。ぜひご出席ください。よろしくお願いします。
□□報 告
第145回日本医師会定例代議員会の結果について(水谷常任理事)
令和元年6月23日(日)に日医で開催。
●日医の横倉会長の挨拶後、中川副会長より事業報告を行い、議事に入った。また、代議員からの代表質問が16件あり、それぞれ担当役員が答弁を行った。
*次回のFAXニュース送信は6月3日の予定です。
金井会長ホットライン は下記あてに
ファックス:048-824-3630
携帯電話:090-7415-2237
E-mail:kaichou@office.saitama.med.or.jp
最近のトピックス ![]()
※1
日本医師会の横倉義武会長は6月19日の会見で、経済財政諮問会議がまとめた「経済財政運営と改革の基本方針2019(骨太の方針2019)」の原案に対する見解を示した。給付と負担の見直しは骨太方針2020で取りまとめるとしたことや、社会保障関係費について具体的な数字が示されなかったことについて「いずれの議論も先送りとなり、参院選後から来年の骨太の方針2020に向けて厳しい議論が予想される」と述べた。日医は国民が必要とする医療を受けられるように主張を続けるとした。
※2
日本医師会が6月23日に開いた定例代議員会で、外来医師多数区域における新規開業などを巡り活発な議論が交わされた。横倉義武会長は多くの改革内容に対し「医師会が試されている」と発言。外来医師偏在指標の結果を鑑みずに新規開業の手ほどきをする経営コンサルなどには「医師会が団結して対抗しなければならない」と呼び掛けた。質疑で上がった「学校医や救急当番をしたくないから医師会を辞める」という医師については「本当に地域で医療を行う覚悟があるのかどうかを問うていきたいとまで思う」と語った。
厚労省が医師需給分科会の議論を踏まえて策定した「外来医療に係る医療提供体制の確保に関するガイドライン(GL)」では、外来医師多数区域での新規開業者に、初期救急や学校医など、当該地域で不足する外来医療機能を担うことを求めている。外来医療をテーマにした質疑の中で会場の代議員が「大手チェーン薬局、銀行、経営コンサルなどが土地や建物を用意し、落下傘的に開業する」という事例が多いことを訴え、同GLを医師だけでなく経営コンサルなどにも周知する必要性に言及した。
※3
受動喫煙対策を盛り込んだ改正健康増進法が7月1日、一部施行された。医療機関は「敷地内禁煙」となり、屋内にある喫煙室の使用は禁止、屋外でも原則禁煙となった。改正法では、規定に従わない施設には指導を行い、従わない場合等には義務違反の内容に応じて勧告・命令等を実施。それでも改善が見られない場合は罰則(過料)の適用を定めており、注意が必要だ。
※4
厚労省は6月27日に開いた「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」に、医療機能情報提供制度の改善へ向け、同省が管理する全国統一的な検索サイトの構築などに関する考え方を示した。分かりやすい情報提供や各地域の独自性を生かすなど4つの観点に立ち今後の検討を進める。新システムは2022年度の稼働を目指す。
医療機能情報提供制度は、病院や診療所に医療機能の情報を都道府県に報告することを義務付け、報告を受けた都道府県が住民・患者にその情報を提供する仕組み。都道府県ごとの公開のため、スマートフォンや外国語への対応を含め公表方法に差があるなどの課題がある。そのため全国統一的な検索サイトを構築する。
※5
厚労省労働基準局は7月1日付で、医師が診療等の本来業務の傍ら、医師の自らの知識の習得や技能の向上を図るための「研鑽」に関する労働時間の考え方を示した通知を都道府県労働局長に発出した。また、医師、看護師等の宿日直許可基準に関する局長通知なども出した。
「医師の研鑽に係る労働時間に関する考え方について」の通知では、労働時間に該当する場合と労働時間に該当しない場合があることを示し、労働時間に該当するかどうかを明確化するための手続きや環境整備について整理している。医師の研鑽のうち、所定労働時間内に使用者に指示された勤務場所で研鑽を行う場合については「労働時間」に該当すると示した上で、所定時間外に行われる研鑽について、研鑽の類型ごとに記載した。具体的には▽一般診療における新たな知識、技能の習得のための学習▽博士の学位を取得するための症例研究や論文作成▽手技を向上させるための手術の見学―の3つの類型ごとに「研鑽の具体的内容」と「研鑽の労働時間該当性」について明記した。
※6
厚労省は6月25日の「医療観察法の医療体制に関する懇談会」に、今年10月に予定している消費税引き上げに伴う医療観察診療報酬改定案を説明した。基本診療料の入院料・通院料は、2017年度の医療経済実態調査を基に算出した医科に合わせ、改定率をプラス0.48%とした。
※7
前週より大きく増加し、警報レベル開始基準値(5.00)を超えた。保健所別では、南部13.50、川口市10.38、東松山10.00、朝霞8.93となった。